自力で人探しを成功させるための「情報整理術」|探偵が最初に確認するのは“行動”ではなく“情報”
- シークレットジャパン湘南藤沢スタッフ

- 2025年11月21日
- 読了時間: 6分
更新日:2025年12月6日

多くの人が「探す前」に失敗している
大切な家族・友人・恋人と突然連絡が取れなくなると、多くの人がまず「探しに出る」ことを考えます。しかし、実際の現場では”探し回ったことで、最も重要な初期情報が失われてしまう”という逆効果が起きがちです。
探偵が依頼を受けた際に最初に行うのは、現地調査ではなく「情報の収集と整理」です。
人探しにおいて情報は、地図のような役割を果たします。 情報が曖昧だったり、憶測が混ざっていたりすると、捜索のスタート地点を見誤り、数日単位で発見が遅れてしまうことも珍しくありません。
そこで本コラムでは、 探偵が実際に行っている “情報整理術” を、一般の方にも使える形で解説 します。
1. 人探しは「地図のない宝探し」。情報が地図になる
探偵調査が成功する背景には、 「事前の情報整理にどれだけ時間を使ったか」 があります。
情報が整理されていないと、次の問題が起きます。
行動仮説が立てられない
調査範囲が無限に広がる
誤情報に振り回される
これらは、自力調査でも探偵調査でも失敗原因の上位。 逆に、情報が整っていれば、捜索のスタートラインが鮮明になり、発見までのスピードが一気に上がります。
2. 探偵が作成する「行動推測シート」を一般向けにアレンジするとこうなる
探偵は、状況により調査前に「行動推測シート」を使用することがあります。これは、本人の行動傾向を立体的に把握するための“分析の土台”です。以下は、一般の方でもそのまま使えるように再構成したものです。
【行動推測シート|5つの分類】
① 直近の“行動ログ”
最後に確認された時間・場所
最後に会った人
最後に移動した手段
最後のSNS/LINE/通話記録
② “心理状態”の把握
直前の悩み
生活リズムの変化
感情の波(疲労、不安、怒り)
一人になりたい傾向の有無
③ “選びそうな行動傾向”
落ち着ける場所に向かう
友人や恋人に会いに行く
過去によく行っていた場所を選ぶ
④ “よく行く場所”の棚卸し
普段の生活導線
お気に入りの店/施設
長時間滞在できる場所
⑤ “行かない可能性が高い場所”
距離的に不自然
性格的に合わない
費用負担が大きすぎる
この五分類は前回のコラムでは扱わなかった、 より深いプロの判断ロジック です。
これにより、 「行く可能性が高い場所」の優先順位が明確化 されます。
3. 探偵は“点の情報”を“線”に変える(思考過程の解説)
例えば次のような情報が揃っていたとします。
最後のLINEの文章は「ちょっと疲れた…」
ICカードは「藤沢→辻堂」
睡眠不足が続いている
よく深夜の外出をしていた
□ 一般の方: 「辻堂周辺で探そう」
□ 探偵: 「心理状態+行動パターンから、静かな屋内を選ぶ可能性が高い」 → 24時間カフェ、サウナ、コンビニのイートイン、ネットカフェ
という風に、 “心理の背景から行動を逆算する” のがプロの思考法です。
4. 誤情報を切り捨てる基準(探偵は全部を信じない)
人探しで最も危険なのは「誤情報の多発」です。 特にSNSの拡散は、善意であっても捜索を妨げます。
探偵は次の基準で情報を選別します。
▽ 追うべき情報
複数人が一致した内容を証言
特徴が具体的
行動傾向と矛盾しない
移動の流れが合理的
▽切り捨てる情報
曖昧な表現(“たぶん” “似てた”)
心理傾向と矛盾
距離的に不自然
SNSの憶測ベース
一般の方は善意で情報を信じやすいですが、 探偵は「捜索の速度」を優先して必要情報だけに絞り込みます。
5. ケーススタディ:情報整理の質で結末が変わった2つの例
● 成功例:藤沢市・40代女性(深夜外出による不明ケース)
藤沢市の40代女性Bさんは、深夜に外出して連絡が取れなくなりました。 家族は不安と焦りでいっぱいでしたが、まずは探し回るのではなく、 徹底した情報整理に時間を使いました。
まとめられた行動推測シートには:
ストレスが溜まると深夜に散歩に出る癖があった
落ち着きたい時は24時間営業のカフェをよく利用
直近の数日は睡眠リズムが乱れていた
スマホ位置は藤沢市内で停止
最後のSuica利用は「藤沢→辻堂」
と、具体的かつ信頼できる情報が揃っていました。
探偵はこの情報をもとに、 「騒音より静かな屋内を選びやすい心理状態」 と判断し、藤沢〜辻堂エリアのコンビニ、24hカフェ、ネットカフェを重点調査。
結果、辻堂駅近くの24時間カフェで本人らしき人物の証言を得て、 翌朝の再訪で無事に保護することができました。
成功要因:
家族が“事実だけ”を丁寧に整理した
心理と行動の整合性が取れた
優先順位の明確化で調査がぶれなかった
という3点でした。
● 失敗例:茅ヶ崎市・20代女性
大学生活での人間関係の悩みが原因で失踪。 しかし家族・友人がそれぞれSNSで無制限に情報拡散した結果、
誤った目撃情報が多数寄せられる
掲示板にデマ情報が投稿される
調査範囲が必要以上に拡大
探偵は誤情報の確認に追われ、捜索範囲が無駄に拡大してしまいました。情報管理の重要性がよく分かる例です。
6. 探偵へ依頼する前に最低限そろえておきたい“5つの情報”
自力で調べる段階でも、探偵依頼を見据える段階でも、 最低限そろえてほしい情報は以下の5つです。
最後の行動ログ(時間付き)
直前1週間の生活パターンの変化
よく行く場所の棚卸し
人間関係の変化
心理状態の推測
この5つがあるかどうかで、 実務の進行速度はまったく変わります。
7. まとめ:行動より“情報”が捜索を左右する
前回のコラムでは「正しい順序」を解説しました。 今回はその次の段階として “情報整理の技術” を解説しました。
まとめると
焦って探し回る前に情報を整理する
心理 → 行動 の流れで予測する
誤情報の切り捨てが成功率を高める
人探しは「行動量」ではなく、情報の質と精度 が勝負です。
こうした基本原則を押さえておくことで、後の判断ミスや情報混乱といった“よくある失敗”を防ぐことができます。また、正しい初動を踏んだうえで整理された情報が揃っていれば、第三者(警察・探偵)が介入した際の調査効率も大幅に向上します。
さらに本記事で扱ったケーススタディからも分かるように、心理状態・行動パターン・生活圏の特性を読み解く視点を持つことで、「見当違いの場所を探してしまう」というロスがなくなります。
人探しは“地図のない捜索”ではありません。
正しい情報整理を行えば、自然と優先順位が浮かび上がる“地図”がつくられていくものだからです。
※本記事は、探偵業の経験・一般的な傾向をもとに構成していますが、 すべてのケースに当てはまるものではありません。 失踪者の年齢・心理状態・背景・地域環境によって最善の対応は異なります。 実際の捜索は、必ず警察や専門家へご相談ください。




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